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九条俳句訴訟と公民館の自由(追録入り)


佐藤一子・安藤聡彦・長澤成次(編著)
本体価格:1800円
発刊年月:2018/05
ISBN:9784871686167
Cコード:0036
管理番号:10061

□梅雨空に 「九条守れ」の 女性デモ
公民館の俳句サークルで詠まれた一つの俳句が、時代に大きな問いかけをしている。
九条を詠ってはいけないのか。デモへの共感は許さないのか。
自治体から突然、理不尽な圧力を受けた女性たちが、あたりまえの自由を取り戻すために立ち上がり、それを支える市民たちがいた。
本書は、表現の自由を取り戻し、公民館で住民が学び続ける意味を再確認する大きなうねりにまで広がった九条俳句訴訟のドキュメントである。
佐々木新一(九条俳句訴訟弁護団団長・弁護士)

□九条俳句訴訟から学習権・表現の自由を考える
「九条俳句不掲載問題」は、現代日本社会の言論、文化、教育・学習の自由をめぐる問題状況を象徴している。それを見過ごしてはいけないと思う社会教育・学校教育関係者、自治体やメディアの関係者、民主主義や参加の問題を主体的に考えようとしている若者・市民の方々に、ぜひ本書を手にとっていただきたいと願う。(「序章」より)

【目次】

序 章 九条俳句訴訟から学習権・表現の自由を考える(佐藤一子)
第Ⅰ章 九条俳句不掲載―何が問題か?―
「九条俳句事件」が問いかけること
1 俳句不掲載をどう受け止めたか
2 さいたま市の公民館運営と市民の意向反映
3 公民館職員の立場から
4 全体討議
5 いま伝えたいこと
〈キーワード解説〉公民館(上田幸夫)

第Ⅱ章 九条俳句不掲載損害賠償等請求事件の原告主張と地裁判決
❶口頭弁論の論点と控訴審への課題―弁護団の見解(久保田和志・石川智士)
1 判決に期待していたこと
2 訴状と口頭弁論の論点
3 さいたま地方裁判所判決の意義
4 控訴審及び今後の課題
❷「九条俳句」市民応援団の立場から(武内 暁)
1 私達の主張と裁判運動
2 「忖度」「社会教育」「憲法」「民主主義」を考える
〈キーワード解説〉学習権(野村武司)
〈キーワード解説〉表現の自由(棟久 敬)

第Ⅲ章 九条俳句訴訟の争点と課題
❶社会教育における学習の自由と公共性(姉崎洋一)
1 憲法・教育法における学習権保障の位置づけ
2 社会教育法と公民館
3 公民館と住民(市民)の学習活動・学習の自由
4 本事件裁判の意義
❷住民自治に根ざす公民館運営と公民館だより(長澤成次)
1 裁判で問われた公民館だよりの法的位置づけと性格をめぐって
2 あらためて公民館報(公民館だより)の原点をふりかえる
3 自治体広報誌と公民館報の違いとは何か
4 公民館報の自主性と自由を担保する住民の編集権
5 地域に学びと自治をつくる公民館だよりと公民館の可能性
〈キーワード解説〉社会教育の政治的中立性(荒井文昭)

第Ⅳ章 社会教育施設の学びの自由を守るために
❶公民館実践から学びの自由を考える(井口啓太郎)
1 公共空間としての公民館
2 公民館事業における論争的問題の取り扱い
3 「政治的中立性」をどう考えるか
4 市民参画を支える公民館職員の役割
❷図書館の自由を守る(西河内靖泰)
1 「図書館の自由」とは何か―図書館は「何のため」、「だれのため」にあるのか
2 千葉県船橋市西図書館蔵書廃棄事件(「船橋事件」)が問うたもの
3 「図書館の自由」の担い手はだれか
〈キーワード解説〉図書館の自由に関する宣言(西河内靖泰)
❸美術館における「表現の自由」(武居利史)
1 美術館における表現規制の問題
2 規制に対抗する動きと到達点
3 美術館の自由を確立するために
❹学校教育における「まなびの自由」を考える(前島英男)
1 職員会議で丁寧に論議した時代
2 指導主事に対する過度な応対
3 学級通信発行までの煩雑なプロセス
4 内容が問われる初任者研修
5 さいたま市における「道徳」教科書の選定
➎自治体公務員論から見えること(池上洋通)
1 日本国憲法の国家像と政府機構、公務員像の確認
2 地方自治体政府の存在と具体的な任務の展開
3 地方公務員の職務の基準と中立性、そして生きがい
4 公務の基本原則を放棄した「九条俳句事件」
〈キーワード解説〉集会の自由と公民館(谷 和明)

第Ⅴ章 資料編 判決文、弁護団声明、九条俳句市民応援団声明
判決文(全文)
「九条俳句訴訟」控訴にあたっての弁護団声明
「九条俳句」市民応援団声明

あとがき

追録(挟み込み冊子)
1.東京高裁 判決文(全文)
2.九条俳句訴訟弁護団Q&A

下記より追録のデータをダウンロードできます。
9jyohaikutuiroku

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