eidell エイデル研究所

  1. HOME
  2. 出版物データベース
  3. 子どもと音環境

子どもと音環境

つぶやきが聞こえる環境づくり


野口紗生・船場ひさお(編著)、 一般社団法人 こどものための音環境デザイン〔ADC〕(編集)
本体価格:2200円
発刊年月:2025/10
ISBN:9784871687300
Cコード:3037
管理番号:10131

2025年度こども環境学会賞(論文・著作賞)受賞!

声が届かず騒がしい保育室から、子どもの声が自然に響き合う環境へ

保育現場で子どもが大声を出したり部屋から飛び出したりする行動の背景には、「騒がしくて聞こえない」「音がつらい」といった要因が潜んでいるかもしれません。
本書では、そうした子どもたちにとっての「音の世界」を想像しながら、少しでも居心地のよい環境を整えるための視点をお伝えします。
 

こんなことはありませんか?

・騒がしいのが苦手で部屋から出ていってしまう
・子どもが落ち着かない
・大きな音が苦手
・大声で叫ぶ
・保育士の声が届きにくいな
・さすがにちょっとにぎやか過ぎる
イラスト:うつろあきこ
 

  • 音環境のポイント

  • 新築園舎であっても音の問題が多い

ガラス張りの大きな窓や吹き抜け空間、木をふんだんに使った内装など、視覚的に美しいデザインの園舎は全国に増えています。
ところが、そうした素材の多くは音を反射するため、結果として音が響き過ぎ、子どもの声やおもちゃの音が増幅されてしまうのです。「見た目は素晴らしいのに、なぜか落ち着かない」「なんとなく耳が疲れる」といった現場の声は、まさに音環境の影響を反映しています。
 

  • 解決のポイントは「吸音」にあり

「部屋が響き過ぎる」問題への対策としては、「吸音」することが有効です。
「吸音」とは、音を吸い込むのではなく、子どもの大切なつぶやきを聞くために余分な響きを消すことです。まずは、保育室の内装(天井や壁など)に吸音する材料を使うことが大切です。
大がかりな工事を行わなくても、吸音材を貼ったパーティションやボックスなどで「吸音コーナー」をつくったり、カーテンを「吸音カーテン」に変えるなど比較的簡便な方法もあります。
 

  • 音環境の改善を体験した現場の先生方の声

「騒がしさが低減し、言葉を聞き取りやすくなりました」
「吸音した部屋から吸音されていない部屋に戻ると、音が気になって仕方がないです」
「音のことをわかるようになると、子どもの苦しみや気持ちがもっとわかるようになりました」
「職員自身も、自分の声が大きいのではないか、とか、色々な気付きが得られました」
「保育の助けになると思います」
 

本書には、「吸音による聞こえ方の違い」などを体感的に理解できる複数の動画(QRコード)が付いていますので、ぜひ「音の世界」を体験してみてください。

本書の構成

序章 音の環境から保育を考える―子どものつぶやきが聞こえる環境へ―(浜松学院大学・野口紗生/駿河台大学・船場ひさお)

第Ⅰ部 施設環境について考える
第1章 子どもの育ちを支援する建築音響設計を目指して(熊本大学・川井敬二)
第2章 保育・教育施設の音環境(明治大学・上野佳奈子)
第3章 保育環境デザインにおける音―保育環境計画の視点から―(早稲田大学・佐藤将之)
第4章 保育施設の床衝撃音(日本大学・冨田隆太)
第5章 窓辺から空気環境、音環境を考える―都市部の保育施設の空気環境調査に基づいて―(横浜国立大学・田中稲子)

第Ⅱ部 子ども・保育と音環境の関わり
第6章 子どもと保育者の「聞こえ」を支え、育てる保育室(埼玉大学名誉教授・志村洋子)
第7章 保育実践と音環境との関わり(千葉明徳短期大学・由田新/鶴見大学・片川智子)
第8章 音以外の様々な「キー」と、音環境の視点をもつことの意味(鶴見大学・片川智子/明徳短期大学・由田新)
第9章 感覚過敏と音環境(高知大学・高橋秀俊)
第10章 音環境を活かした保育へ―多様な子どもたちの育ちを支える音環境―(洗足こども短期大学・篠沢薫/浜松学院大学・野口紗生)

第Ⅲ部地域社会・文化の視点から
第11章 音環境から考える地域と保育のつながり(電気通信大学・片岡寛子/東京都市大学・松橋圭子)
第12章 ドイツにおける子どもと音環境―子どもと保育者の権利から考える環境づくり―(Researching Plus GmbH・吉澤寿子/早稲田大学・佐藤将之)

終章 座談会 園の落ち着きと音環境―子どもの育ちを支える環境づくり―(大久野保育園・髙野泰弘/浜松市根洗学園・松本知子/いいとよ保育園・山﨑美鈴)

子どもと音環境 チラシ(PDF)